炎の里の作家達

公水窯

公水窯
井上公典さん

先代の千山窯で長らく絵付けを担当していた井上さんの思いは「砥部焼を受け継ぐ」ことに尽きます。

「梅山窯から全国に広がった唐草という砥部焼のイメージを忠実に描きながら、赤や緑のポイントを派手にならずスッキリと取り入れます。」

というのも、砥部焼は母から子へ、またその子へと代々受け継がれるお客様が多く「今あるものと同じものが欲しい」というオーダーが主流。
若手が作ったものは「前のと違う」と言われてしまうため、真摯な技術伝承が必要です。
練習用の素焼きがない時はトイレットペーパーで研鑽を積み、濃淡の奥行きが深い「泥呉須」の名手となりました。

「若い頃と今とではタッチが違います。力強い荒々しさから、繊細で滑らかな線に。」

息子さんとの分業スタイルで砥部焼の真髄を守ります。